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日本の選挙―何を変えれば政治が変わるのか (中公新書)定数削減とかいっていないで
あいかわらず日本政界とマスコミではきわめて杜撰とすら言えない、なにも考えていない「定数削減」が語られている。このような惨状を見るにつけ、選挙制度の詳細な検討をおこなう本書は必読文献であると感じる。本書の利点については他のレヴューが適切にまとめているのでそちらを参照されたい。

きわめて有益な本書ではあるが、筆者が提示する結論については論証が足りない杜撰なものである。すくなくとも評者はまったく説得されなかった。

「各制度の思想的バックボーン」の重要性を説き、検討してきた本書の最後に、筆者は衆議院での完全小選挙区制と、参議院の権限縮小による「ねじれ」の解消を提案する。しかし、以前は衆議院の完全比例代表制を提唱していた著者の主張を転換したその根拠は、日本の現実政治に対する幻滅であり、著書の中で批判的に触れられていた制度に対する過度の決定論に著者自身が依拠してしまっている。そしてなぜ著者が「政権交代」を最重要視し、民意の議席数での反映を軽視するのかについての、「思想的」根拠は語られない。

二大政党制を衆議院で実現することと、同時に参議院を良識の府にするという制度構想についてはその困難さは想像に難くない。また、「ねじれ」がそもそもなぜ問題なのか。討議による合意や妥協ではなく、なぜ制度的に多数決の決断主義を取らねばならないのか、それはそもそも「民主的」なのか、という「思想的」検討はもちろんのこと、「ねじれ」がなぜこれほど日本で問題になるのか(フランスやアメリカなど複数の代表選出制度のある...


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